Visual by Spike-Bloom
スーパーレアアイテム感のある物質が生成されました。詳細は以下から。
科学者たちが「時間結晶(Time Crystal)」の生成に成功しました。なんともロマンを感じてしまう名称ですが、いったいどんなものなのでしょうか?
結晶というのは原子や分子が規則正しく周期的に空間に配列されることで構成される固体のことを指します。一方で今回生成された時間結晶という存在は原子や分子が時間軸に対して規則正しく周期的に振る舞う物質の様態を指します。
この発見はアメリカ合衆国のカリフォルニア大学バークレー校のNorman Yao博士が「Physical Review Letter」の中で明らかにしています。
Yao博士は数ヶ月前にメリーランド大学の研究チームと共に10個のイッテルビウム元素で作った輪に2つのレーザー光線を数回にわたって照射し、平衡状態を作り上げました。この際、イッテルビウムは平衡状態になっていないにも関わらず、輪は安定した反復パターンを描き出したのです。
この研究が明らかにしたのは、ダイヤモンドの結晶のような静的な平衡状態に落ち着くことのない新しい物質の様態の存在であり、それこそが時間結晶ということ。このイッテルビウムの時間結晶は唯一の例ではなく、ハーバード大学でも別の時間結晶が作成されています。
Yao博士は「時間結晶は物質の新たな位相であり、周期だ。そして初めての非平衡状態の例でもある。過去50年間、科学者は金属や絶縁体などの平衡状態の物質を探求してきたが、非平衡物質という全く新しい地平が眼前に開けたのだ」と述べています。
時間結晶という存在はノーベル物理学賞を授賞したFrank Wilczek博士によって2012年に初めて提唱されました。現在では時間結晶の有効な使い道はまだ発見されていませんが、将来的には量子コンピュータの分野での利用が期待されているとのこと。
Time Crystals Are Now A Thing _ IFLScience
(Visual by Spike-Bloom)
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